令和3年2月定例会一般質問(あらゆる差別や偏見のない社会の実現について)
朝鮮学校への補助金
【Q】戸倉
第45回部落解放・人権西日本夏期講座で、武蔵野美術大学の志田陽子教授の講演を聞かれた方からメールが届きました。志田先生に「国が先導して、地方自治体が朝鮮学校への補助金停止等を 行っているが、これは本米公権力が為すべきヘイト防止義務に反している ばかりか、逆にヘイト煽動に当たるのではないか。」と質問したところ、「指摘 のとおりである。講演の終わりで述べたが文化的インフラから一部の人を 除外するのは差別である」という趣旨の回答があったので、ぜひ、県議会で取り上げてほしいというメ ールでした。(略)
日本全体が、過激で排外的な言動によって大衆を煽動する空気、これらは民衆の心情をくすぐりやすいと言われていますが、そういったものに変わって しまったことが大きく起因しているのではないかと思っています。これらは、世界中の動きとも連動した、右傾化、ポピュリズム、レイシズム、排外主義など、 既に多くの専門家が分析されていることでもあります。
そのような空気の中で、第2次安倍内閣が誕生し、その2日後の12月28日に、 下村文科相が閣僚懇談会後の記者会見で、朝鮮学校については拉致問題 の進展がないことなどを理由にあげ、国民の理解が得られない。総理からも指示があり、野党時代に自民党の議員立法として国会に提出した朝鮮学校 を高校の無償化制度から除外する改正法案と同趣旨の改正を省令改正 により行うと発表されています。
これが、朝鮮学校の補助金停止につながっているわけですが(略)そもそも 山口県議会は、少数側からの意見も懐深く受けいれる、保守本来の姿である 寛容で良識ある議事進行がなされる場であったと伺っています。2004年2月 定例会では、「国連勧告を檸重し、外国人学校•生徒への処遇改善を求める 意見書」を、全会一致で採択されています。(略)
村岡知事におかれましては、山本繁太郎前知事が健康上の理由により辞職されたことを受け、知事選挙に出馬された経緯もあり、山本県政を継承する 方針で取り組んでこられたと思いますが、時代の流れもあり、そろそろ、知事本来の公正さや正義感を前面にだして、持ち前のリーダーシップを遺憾なく 発揮し、朝鮮学校への補助金を再開するための令和3年度予算とされるべきだと考えますが、ご所見をお伺いします。
【A】総務部長
本県の朝鮮学校への補助金につきましては、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、 北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、 現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないとの判断に変わり がなく、来年度においても予算計上していないところです。